I-Method

ごあいさつ

ホームページ立ち上げの動機

 2001年ころからはじまった、リサイクルの進展、資源ごみ輸出の増加、産廃排出企業のゼロエミッションやコンプライアンスの取り組み、産廃処理業者の規模拡大と優良化の取り組み、行政や警察の取り締まり強化、資源価格の高騰などの相乗効果により、2008年前半まで不法投棄は沈静化傾向が続いてきました。ところが、リーマンショック以来の経済変動で状況が一変し、2009年はゲリラ不法投棄が増加傾向に転じました。まだ、かつてのように広域暴力団が介在する大規模な組織的不法投棄が復活したわけではありませんが、予断を許さない状況です。

 廃棄物処理・リサイクル業界や資源ごみ輸出業界では、大規模投資による経営拡大が続いてきましたが、リーマンショック以降は、資源価格の急落、廃棄物需給の暗転、銀行の貸し渋りにより、一転して経営が危機的状況となり、大型倒産も相次いでいます。そのため、どの業者も業務の効率化や内製化(外注処理の縮小)などによる体質改善を急いでいるところです。2010年は実力のある業者とない業者の格差がさらに開き、大きな業界再編が起こる可能性もあります。

 こうした産廃処理を取り巻く環境の激変のなか、組織的不法投棄の復活を未然に食い止め、産廃処理業者の優良化を支援し、業界構造の健全化をはかるため、独力ながらHPを立ち上げて、持てるノウハウや情報を公開することとしました。


産業廃棄物処理業優良化推進事業について

 環境省の産業廃棄物処理業優良化推進事業の目玉である産廃情報ネットからの処理業者の情報公開は、発足時からとても画期的なスキームであると高く評価しています。しかし法的強制力のない勧奨制度であるため、業者にとって情報を公開することのインセンティブが乏しく、最近は情報公開業者数が伸び悩みとなっています。

 次の廃棄物処理法改正では、排出事業者に対して廃棄物処理の現地確認義務が課され、地方自治体から優良化事業による優良性認定を受けた業者については、その義務が免責される可能性もあると聞いています。これがインセンティブとなり、情報公開制度の普及に弾みがつくことも期待されています。
 しかし、現状では排出事業者が公開データをほとんど活用しておらず、リスクコミュニケーションの手段として期待された役割を果たしていません。また産廃処理業者にとっても、情報を公開することが新規顧客の獲得など営業面でのプラスにつながらなければ、真の意味のインセンティブにはなりません。この制度を普及させるには、公開情報の活用度を高めていくことが必須なのです。

 Iメソッドによる公開データ分析はとてもシンプルなもので、会計の専門知識がなくても誰でも利用できるものとして、数年来普及を図ってきました。産廃処理業界が再編期を迎えようとしている現在、聴講者が限定されたセミナーで説明しているだけでは間に合わないと感じ、分析表をWEB上で公開し、WEB上セミナーも同時開講しました。これによって公開データの活用度を高め、優良化事業を普及させる一助になることを期待しています。


このホームページのめざすところ

 このHPは産廃処理業界全体の優良化を支援するという公益目的を意識して開設したものであり、個人サイトといっても私生活のブログではなく、産廃情報ネットの公開データを活用するための標準サイトになることをめざしています。
 サブサイト名を「Iメソッド自由会議」と名づけたように、情報を一方的に公表していくのではなく、みなさんからの投稿を中心にした共有情報資産としていきたいと考えております。そのため、投稿コーナーをたくさん設定しており、今後さらに増やしていく予定です。

 みなさんのご協力をいただき、情報公開業者の全社分析を達成し、いずれは情報公開が法的義務となることを先取りして、産廃処理業界の「会社四季報」のようなサイトに発展させるのが最終目標です。優良化事業の情報公開制度は生まれながらに、そのために必要となる情報量をすべて持っている優れた制度設計になっていると思います。

                                                                    石渡正佳


右のリンクコーナーに、衆議院調査局環境調査室作成資料へのリンクボタンを設定しました。p47に石渡の提出したレポートが掲載されています。
産廃情報ネットへのリンク


衆議院調査局環境調査室作成資料p47に石渡のレポートがあります。


廃棄物処理法の改正公布(5月19日)


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