I-Method
構想日本のパーティ |
2010年1月27日 |
シンクタンク構想日本の「構想日本シンクネット会員懇談会」に出席してきた。言わずと知れた構想日本の加藤代表は、事業仕分けで一世を風靡している「行政刷新会議」の事務局長だ。 事業仕分けは2002年から構想日本が取り組んでいる市民参加型の行政改革手法で、岐阜県を皮切りに、最初は自治体で普及し、やがて自民党政権時代の2008年には、文部科学省、環境省、財務省、外務省などの中央官庁でも実施された。そしてとうとう民主党政権では行政改革のメインディッシュになったのである。 昨年の事業仕分けでは、なんといってもノーベル賞学者が一斉に亡国論だと異を唱えたスパコン予算の廃止が一番の話題となった。加藤代表のスピーチの最後も、この話題だった。「ノーベル賞学者といっても、みなさん今は国の税金で運営している機関の代表ばかりでした」と、ちくりと皮肉を言っていた。 私自身は、文部科学省が税金を使ってスパコン開発を主導する理由も効果もまるでわからないので、事業仕分けの結論は当然だと思っていた。むしろおかしな世論に負けて予算が復活したことが残念である。それ以上に、何十年も前の業績にいまさらノーベル賞を与えるスウェーデン科学アカデミーの選考理由もよくわからない。物理学や化学のノーベル賞はそれでもまだいちおう受賞理由となった業績が明確だが、反戦文学ばかりが受賞する文学賞や、世界で唯一戦争をやっているアメリカという国の政治家がやたらと受賞する平和賞となると、さっぱり意味不明だ。 構想日本の活動は1997年に始まるが、その発展ぶりはちょっとした立志伝だ。既存のシンクタンクの多くが、政府、自治体、大企業、政党などからの研究受託で稼いでいるのに対して、構想日本は商売にならない政治改革を中心テーマに、非営利の活動を続けてきた。官需が8割といった某総研(こことも実はとても親しいが)とはまさに好対照だ。 そうした活動実績に裏付けられた事業仕分けだから、メディアの表面的な批判など、ものともしないのだろう。一つのテーマにずっとこだわり、粘り強く解決方法を育てていくことの大切さが身にしみる。スタートしてまだ1ヶ月にもならないI-Method Forumだが、独自の手法にこだわるという点で共感するところがあり、たいへん参考になる先例だ。(財務省と千葉県庁ではちょっと格が違うが、加藤代表だってもともと公務員だし。) もう一つ、構想日本はスタッフがすばらしい。一人として疑問符のつくスタッフがおらず、どなたと話しても魅力的だ。いま注目度最高潮ということもあるかもしれないが、昨日入ったばかりのアルバイトのようなスタッフでさえ、ふしぎなくらいきらきら輝いて見えた今夜のパーティだった。 先頭のページ 前のページ 次のページ 末尾のページ |
渋柿庵主人 |