I-Method

渋柿庵日乗 一一


ザ・スクープ スペシャル放送

2010年1月31日
 今日、午後2時からテレビ朝日系「ザ・スクープ スペシャル」で特集「環境警察vsゲリラ投棄」の放送があった。

 番組の中で大活躍の千葉県警環境犯罪課の日野管理官は、1996年2月から2年間、県庁産業廃棄物課(当時)に出向されており、後半の1年間は私の直接の上司として現場指導に同行していたので、とても懐かしく、また頼もしく思いながら番組を見ていた。
 実は日野警部(現警視)と私は意見が対立していた。県庁は警察力を頼んで後方援護するのではなく、自律した監視体制を整えるべきというのが、私の持論だった。残念ながら当時の県職員は素人集団で、日野警部の行動力にまったくついていけなかった。

 私の持論が容れられ、1999年4月、24時間365日監視チーム(グリーン・アクション・チーム、通称グリーンキャップ)が誕生した。
 番組の中で監視チームのメンバーがかぶっていた帽子のエンブレムは、チーム発足直前に、私が原画を作成し、絵心のある友人にフリーハンドの図案化を頼んだものだった。そのデザインが11年後の今も使われているのを見て、今だったらMACを使ってもっと完成度の高いデザインができるのにと、ちょっと複雑な心境だった。

 この番組のため、長野智子キャスターの取材を受けたのは、昨年12月18日のことだった。午後7時半、東京ミッドタウンのクリスマス・イルミネーションのすぐ近くのスタジオ前での待ち合わせとなった。長野キャスターと番組スタッフは、取材に行っていた多古町の現場からの直帰だった。
 最初の1時間、スタジオ下のイタメシ屋でコーヒーを飲みながら(長野キャスターは現場直帰でおなかがすいていたのか、ケーキも食べていた)打ち合わせをし、後半の1時間半はミキサー室でインタビューを収録した。メディアの出演ではいつもそうだが、私はノー原稿でのぞんだ。
 放送では私のコメントは1分くらいの編集だったが、おもしろい部分をピックアップするものだと、感心した。2時間半もずっと話していたから出てきたコメントである。

 長野キャスターの印象だが、元ミス日本の超美人であるとか、モデル並みのプロポーションだとかいうのは、いまさらのことだが、とにかくまじめに取材に取り組んでいて、嘘や誤魔化しが一切ない方という印象を受けた。
 いろいろなメディアからこれまで取材を受けてきたし、美人キャスターと言われる人とも何人かお会いしているが、愛想笑い一つせず、まるで新人のようにまっすぐに取材テーマに向かっている方をはじめて見た気がする。心の底から美しい人だった。
 でも、「素人でなにもわからないんです」と謙遜しながら、わずかな時間のなかで、本人も驚くようなコメントを引き出してしまうのは、さすがにプロだ。
 鳥越キャスターとは名コンビである。ザ・スクープの放送回数が少ないのは、毎晩放送している人気ニュース番組なんかとは、取材の深さに百万倍の違いがあるからだと納得した。民放ジャーナリズムの意地の結晶のような番組だ。

 ゲリラ不法投棄が再燃していることに警鐘を鳴らすこの番組の取材を受けたことは、年末年始にI-Method Forumの立ち上げを急いだ大きな刺激になっている。

 せっかくなので、長野キャスターからいただいたメッセージを、勝手ながら紹介させていただくことにする。



 石渡さま
 明けましておめでとうございます!
 また「ザ・スクープSP」のインタビューでは遅い時間までお世話になりまして、本当にありがとうございました。今回、私自身はじめて産廃の取材をし、現場にも足を運んで、その実態に驚きました。どうしても私たちが日常の中で目をそむけがちな産廃やゴミの現状が、いかに大きな世界の流れを映し出しているかという石渡さんのお話もとても感銘を受けました。いろいろお話することができて(農業のお話も目からウロコ)、楽しかったです。何も知らない者相手に、わかりやすく根気よく教えてくださって感謝しております。
 31日(日)14時〜の放送がよいものになるよう、頑張ります。今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。(HPも寄らせていただきます)
長野智子



 初対面の人間に、こんな丁寧なメッセージをわざわざ返してくれることだけでも、ほんとにまじめな方なんだなとつくづく思う。

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