I-Method

渋柿庵日乗 四八


環境カレンダー標語のたのしみ

2010年8月17日
 財津氏の「トイレで知る・考えるカレンダー2011」の制作がはじまり、今年
も私に監修依頼がきました。
 私の役目はあくまで監修者なんですが、おのずといくつか標語が思い浮かびま
す。毎年、財津氏に提案はしているのですが、これまで10年間で採用されたのは
たったの1作だけ。
 財津氏はまじめに環境問題を憂えている方なので、私の作ったようなおちゃらけ
は、お気にめさないようです。それでも監修していると、つい自分ならと、作るつ
もりがなくても作ってしまいます。
 今年も監修にとりかかるや、作業そっちのけで、さっそく一作思い浮かんでしま
いました。というわけで、財津氏に提案する前に、ここで発表しちゃいます。

 本物の2011年版カレンダーの標語は、まだ財津氏原案段階ですが、いずれも
傑作ぞろいです。年末の完成をおたのしみに。
 そうそう、読者のみなさんも、標語をご提案されてはいかがですか。喜んでお取
次ぎいたします。私のはきっとダメですが、まじめな財津氏が気に入るようなまじ
めな作品だったら、採用されるかもしれません。


(石渡作・トイレで考える3月の標語)

 彼女は日本が愛しています

 私のお友達に、中国人の留学生はいました。
 帰国するとき、親戚からいっぱい日本製品のお土産たのまれました。
 彼女は秋葉原に行きました。
 でも、電気製品はみんなマレーシア製か台湾製でした。

 彼女は洋服買いに行きました。
 中国製ばかりなの知ってましたが、
 一生けんめい日本製探しました。
 ちょっとお高いけれどブラウス選んでレジに行きました。
 「これ、原料も日本製ですか」
 「さあ」店員さんわかりませんでした。
 買わずに帰って調べると、日本の繊維自給率10%ないです。
 自給率1%のシルクで作った着物は、自動車買えるくらい高いでした。

 彼女はお菓子屋さんに行きました。
 日本のチョコレットは中国で大人気、模倣品いっぱいあります。
 でも、原料は?
 調べてみると、お菓子の原料はみんな外国産でした。

 おせんべいしか日本のお土産買えなかった友達は
 がっかりして空港へ向かいました。
 「でも、まって。これって儲かるかもよ」
 彼女は帰国をやめてメードインジャパン作る会社日本で作りました。
 中国人観光客のおかげで、彼女の会社は大繁盛。
 でも、日本のお客さん、もっと多いです。
 彼女は日本が愛しています。

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渋柿庵主人